コーヒー焙煎工場~Vol.4 コーヒー生産国から日本に届くまでどれくらいかかる?~

前回に引き続いて、今回も当工場で使用しているコーヒー生豆について
Factory&Labo神乃珈琲目黒店の内山がご紹介いたします。

 

独自の基準で世界各国から選び抜き、生産地から直接買付したコーヒー豆が
どのように日本へやってくるのか、簡単にご説明して行きます。

 

コーヒー豆は生産国で麻袋(読み方はマタイ もしくは アサブクロ)に入れられて輸出されます。

一般的にコーヒー豆の輸送には麻袋が使われてきました。通気性が良く湿気がたまりにくく、丈夫であることが採用理由として挙げられます。
麻袋には生産国名、銘柄、等級、積み出し港、輸出業者の名前などが一目でわかるように記載されています。
それらは空輸されることもありますが、ほとんどは船で輸送されます。

60kgの麻袋が250袋~500袋も積み込まれたコンテナを船に積載し日本まで約1ヶ月の長い船旅に出ます。

 

コーヒー豆は高温や多湿な環境下でダメージを受けます。
高温下にあると、豆の呼吸が促進され劣化速度が早まってしまいます。そして高湿下であっても、微生物の影響を受けやすくなりカビが発生します。
赤道近くの暑い国から運び出され、高湿な海上を行くコンテナ船の中ではダメージによって品質が変わってしまうこともあります。

 

しかし、せっかく生産国で大切に大切に育てられたコーヒー豆の味を損なう訳にはいきません。

 

素晴らしいコーヒーの原料を、最大限に良い状態でお客様へお届けする為に

コーヒー豆達を輸送のダメージから守る様々な取り組みがあります。
一例としては、一定の温度・湿度の保たれるリーファーコンテナという特別なコンテナに積載することがあります。
他にはグレインプロという特別な梱包袋を使うこともあります。
グレインプロは、アメリカのグレインプロ社の商品で、厚さ約0.1mmほどの穀物専用ビニール袋です。

3層構造の中間に薄い空気の層があり、厚手で強度があります。
グレインプロを密閉して使用することにより、生豆の乾燥を防ぎコーヒー豆内の水分を保持しやすくなります。
また、外気に触れることがないため紫外線や湿度の影響を受けづらく、酸化防止や、保存中の虫の混入・カビ・その他の微生物の発生防止にもなります。
コーヒーの生豆をグレインプロに入れてから麻袋に入れ、二重包装で輸送されています。

 

日本の港での船下ろし後、麻袋から豆をサンプリングし、品質の確認を行います。

↑サンプリングした豆をテスト焙煎する様子

↑サンプリングした豆の品質を確認する様子

改めて、輸入したコーヒーの個性を確認します。

そしてそこで得た印象を、ブレンディングや焙煎、抽出などに活かします。

 

 

 

梱包様式にはバキュームパックと呼ばれるものもあります。コーヒー豆を入れた袋の内部から空気を除去し、真空状態で輸送する方法です。

品質保持という視点ではファーストクラスの輸送方法といえます。

工場に届き、バキュームパックにハサミで切り込みを入れると"ぷしゅ~"と音を立てて真空が解かれます。

その様子はまるでコーヒー豆が溜息をついているみたいだな~、なんて勝手に想像を膨らませ

長旅の疲れを労うようにやさしく火を入れ、焙煎豆に仕上げていきます。

 

 

次回から、コーヒー製造の工程をご紹介して参ります。
よろしければまたお付き合いください。

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