おいしいアイスコーヒーのつくり方

暑くなってくるこれからの季節に人気のコーヒーといえば、なんと言ってもアイスコーヒーです。日本ではおなじみのアイスコーヒーですが、ヨーロッパやアメリカで飲まれるようになったのは、つい最近のこと。10年ちょっと前までは、ほとんど飲まれていませんでした。

 そもそもアイスコーヒーがいつ頃誕生したのかも実はよく分かっていません。文献を紐解くと1830年頃、フランスの植民地であったアフリカ北部のアルジェリアでマザグランという甘味の強い冷たいコーヒーをフランス人が見つけたという説の他に、実は日本で大正期にコーヒーを冷やして飲み始めたのを、発祥とする説もあります。

 緑が豊かな日本は、きれいな水に恵まれており、生水をそのまま飲むことができました。まだ冷蔵庫などが無い時代、氷はすべて冬に凍った天然氷を氷室と呼ばれる冷気の溜まる場所に保存しておいて、暑い季節に切り出して使っていました。ということは、そもそも水がきれいでないと、天然氷は使えないわけです。氷を使える日本では、暑い季節に冷たい物を食べたり、飲んだりする文化が昔からありました。だから、日本人にとってはコーヒーを

冷やして飲むのも当たり前だったのでしょう。それほど日本人にゆかりの深いアイスコーヒーをもっとおいしく飲むために、今年の夏、皆さんにぜひトライしてもらいたいのがコーヒー豆から淹れたアイスコーヒーです。リキッドはリキッドでもちろんおいしいですが、淹れたてのアイスコーヒーは本当においしいんです。

コーヒーチェーンのようなカフェには、『アイスコーヒー』豆として販売している店舗も数多くあるので、他のコーヒー豆ではアイスコーヒーが作れないと思っているお客様も多いかと思います。でも、そんなことはありません。他の豆を使っても、おいしいアイスコーヒーは作れます。ただし、ローストはフレンチロースト以上の深煎りのものを選びます。なぜ深煎りなのかと言うと、煎りを深くすることでコーヒー生豆の酸味と渋味が抑えられるからです。さらにしっかりとしたボディ感と香ばしさが際立ちます。浅煎りのコーヒーは、味が繊細なためアイスコーヒーではボディ感が弱くなってしまいます。さらに渋味の元であるクロロゲン酸などのポリフェノールが多く残っているため、冷たく冷やすとコーヒーが白く濁る『クリームダウン現象』が起こり、見た目にもおいしそうではありません。

豆を選んだら、次は淹れ方。アイスコーヒーは豆の分量と湯量にちょっとしたコツが必要ですが、それさえ覚えれば、誰でも簡単においしいアイスコーヒーを淹れられます。

 

ドリッパーを使って、おいしいアイスコーヒーを淹れる方法をお教えします。といっても基本はホットコーヒーと同じです。ただ注意しなくてはいけないのが、コーヒーの粉とお湯の量。抽出したコーヒーの原液に氷を入れ急冷すると、2倍近く薄くなります。そのことを頭に入れて濃く抽出しなければいけません。「粉は多く、お湯は少なく」がおいしいアイスコーヒーを淹れるときの鉄則です。

 今回は2杯分でお話しします。通常ハリオでコーヒーを入れるときは1杯8g〜10gですが、アイスコーヒーの場合は1杯18g、2杯分で36gと倍以上のコーヒーを使用します。コーヒーの粉に注ぐ湯量ですが、グラス1杯のアイスコーヒーを作るのに原液は約90cc(2杯で180cc)が必要です。コーヒーを淹れるときは、まず粉を蒸らします。そのときに必要な湯量は、粉の約2倍というのが定義なので、蒸らしに70ccプラス抽出に180cc、合計250ccがお湯の適量となります。この配分を間違うと薄かったり、濃くなりすぎたりするので、最初はデジタルキッチンスケールで測りながら作りましょう。コーヒーを抽出したら、氷をたくさん入れたグラスに注ぎ、手早くかき混ぜ急冷します。氷が無くなり、冷たくなったら完成です。ぜひ作りたての味を楽しんでください。

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